ロンドン観光記②大英図書館

ロンドンに着いて最初に目指したのはユーストン駅近くの大英図書館です。大英図書館の英語名はThe British Libraryというシンプルなもの。ものすご~い数の書物を所蔵している図書館ということですが、入り口は意外と地味で、あやうく通り過ぎそうになりました(笑)。

ここは普通の図書館と違って、閲覧室には誰でも入れるというわけではありません。大好きなエッセイストの出口保夫先生は、かつてこちらに毎日通い研究をされたそうで、その中の革張りのリーディングデスクの豪華な様子を著書の中で紹介しています。でも実際にそれを見られるのは、ちゃんと利用目的が認められた登録者のみ。閲覧登録に関するインフォメーションが日本語で書かれたPDFが用意されているので、そちらにリンクしておきますね。ご興味ある方はそちらをご覧下さい。

「なーんだ、中は見られないのか~」とガッカリするのはまだ早いです!ギャラリーやミュージアムショップ、カフェなどは一般の人々も利用することが出来ます。しかもギャラリーの入場料は無料。そこでは様々なマニュスクリプト(手書きの本)などを見ることができます。なので一般人である私たちも、遠慮なく中へ入らせていただいちゃうのです。

さてさて、門をくぐるとこんな巨大な、イマイチよく分からない彫刻が・・・。私のセンスからすると全然素敵に見えないんですが・・・(笑)。もーりーさんが面白がって写真を撮ったのでアップしてみます。なにやらコンパスを使っている人の像、、、なのかな?

この像の周りにもテーブルや椅子が並んでいて、そこで寛ぐ人の姿がたくさん見られました。図書館内の入り口では、大きなバッグなどを持っている人は荷物チェックを受けていた様子。私たちは軽装だったのでそのままスルー出来ました。

中はさすがに図書館。ひっそりとしていて静か。そしてちょっと薄暗い館内。まだ朝の10時過ぎでロンドンにも着いたばかりでしたので、カフェは利用せずまっすぐにギャラリーへ。私の目当てはルイス・キャロルの手書きのアリスです!

ハイ、見学後の満足顔~♪

貴重な資料満載の大英図書館。館内は撮影禁止です。なので、外での記念撮影のみ。リーディングルームに入れなくても、ギャラリーだけでも素晴らしかったです!気になる方は是非ともイギリス旅行、ロンドン旅行に大英図書館を組み込んでみて下さい。

なーんて、それだけじゃつまらないので、ちゃんといろいろメモって来ましたよ!ギャラリーの中はガラスケースの中に古い手書きの本がずらりと並べられており、ケースはそれぞれ文学、戯曲、自然科学、地図、聖書、宗教、などに分かれていました。

文学のところに展示されていたのはジェーン・オースティンやエミリー・ブロンテ、ヴァージニア・ウルフなどのイギリスの作家のマニュスクリプトやライティングデスクなど。あれ?ルイス・キャロルは見当たらず。

他にはバッハやハイドン、シューベルト、ラベルなどなどの手書きの楽譜が見られたりして、ラベルのボレロが大好きなもーりーはボレロの楽譜を見て嬉しそうでした。けっこう丹精なキレイ楽譜でしたよ。

それからSir.Hans Sloane(1660-1753)という人のコレクションを紹介したコーナーでは、12世紀のアラビアの医者であるというSerapion the Youngerという人の描いた、Herbalという本が展示されていました。(コレクションの書物の年代は1440年となっていました。)大判でカラーの植物図鑑という感じのもの。本人と書物の年代の差を考えると、これは木版印刷なのでしょうかね?カリフラワー、シダー(杉の木の仲間?)、玉ねぎ、チェリーの収穫の様子、ミツロウなどが、一見何の脈絡もなく見開きに描かれていました。ほかにも中国の植物画や、世界最初の人体解剖図などもありました。これらのコレクターであるSir.Hans Sloaneという人は自らも医者であり、また、大英博物館の創設者なのだそうです。

日本に関する展示物としては"The Tale of the Pine and Bamboo"という絵入りの巻物が、【特別な水を飲んだら神になり、後に松と竹になったという貴族の夫婦】を描いた御伽草子として紹介されておりました。本当はもう少し詳しくストーリーが説明されていたんですけど、かなり短くメモっていてすみませんー。これじゃ訳わかんないですよね(苦笑)。なにしろ、奈良の1640年から1680年くらいのものなのだとか。最初、竹取物語なのかな~と思ったんですが、どうもそれとは別の様子。このお話、ご存知の方、いらっしゃいますでしょうか?

日本関連のほかの展示は、"The Million Charns of Empress Shotoku"というものがありました。761年から770年の奈良のものだそうで、Hyakumanto dharaniと書かれていました。このHyakumanto dharaniという言葉から検索すると、百万塔陀羅尼という言葉に行き当たりました。Shotokuというのは聖徳太子かなと思ったのですが、称徳天皇という別の方のことのようです。(聖徳太子はもっと古い時代の方ですもんね。)この称徳天皇が展示されていたのと同じものを100万部コピーさせたとのこと。現存する一番古い書物と書かれておりました。展示されていたものは手書きだったのかな?それとも木版のコピーのものだったのかな?記憶があいまいです^^;詳しく調べてみたら、もう一回見たくなってしまいました。こういうのを手がかりに、日本の博物館を訪ねるのも面白そうですね。

まだまだたくさん、シェイクスピア関連やビートルズ関連など、いろいろ興味深いものはたくさんあったのですが、ほかにも見学したい場所があったので、最後にもうひとつだけ、的をしぼってメモッたものをご紹介。それはレオナルド・ダ・ヴィンチのノート。細かい文字でびっしりと書かれています。ダ・ヴィンチ展はもうだいぶ前に上野の国立科学博物館に見に行ったことがあり、すごーく面白かった記憶があるのです。それでノートを見つけたときもじーっと見入ってしまいました。展示されていたのは3種類。

ひとつは1503年~1505年にフィレンツェで書かれたものでStudies of Mechanicsというもの。(キャプションは英語で書かれていたので、タイトルも英語です。)バランスについてのものだそうで、天秤や滑車のような図が文章の横にいくつか描かれていました。Leon Battista Albertiという人の理論の批判とその理由を記したノートだとのこと。

もう1つはNote on Arithmeticというタイトルで、1495年から1497年にノートは書かれ、1509年に"Pacioli's de divina proportione”というタイトルで正式に発表されたもののようです。これは数学なのかな?PacioliというのはLuca Pacioliというイタリアの数学者のことのようです。数式がいくつか書かれていたような気がします。(メモってるわりにはすでに記憶があいまい・・・メモ術を向上させねばなりませんね、こりゃ。)

最後はNote on Architectureというもの。建築ですかね~。1506年から1508年に書かれたもので、壁のアーチに関する論文のようなもののようでした。アーチの図が文章と一緒に書かれており、裂け目や亀裂の入ることに関する力の掛かり具合について書いてあったのかな?ものすごーく細かい文字で書かれています。石組みの建物やアーチのあるものが昔の建物には本当に多いですものね。この人はいろんな分野に貢献した人なのだなぁとあらためて思いました。  

さてさて、ギャラリー内をくまなくぐるぐるまわってみたものの、結局とうとうルイス・キャロルの手書き本は見つけられず。あるとしたらやっぱり文学のコーナーなんですが、何度見てもありません。タッチパネル式のコンピューターインデックスには出てくるのですが・・・。どこどこ?いったいどこだろう?

しかたがないので係りの方に尋ねてみました。

"I am looking for a manuscript of Lewis Carroll. Where is it?"「ルイス・キャロルの手書き本を探しているんですが、どこにありますか?」すると、"No, it isn't here. There is not the book, madame. It is used be here, but now there is not."「その本はここにはありません。以前はあったんですけど、今はここにはありません。」

な、なぬ~(驚)思わず"Why?"「なぜですか?」と聞いてしまいました。よそに移したとかそういうことなのかなと思って。

そうしたら"It is just for changing exhibition."「ただ単に展示の入れ替えのためです。」とのこと。なーんだ。なら、またいつか来たら見られるチャンスはあるのかも。"I see. Well, I can see the book only on that computer." 「なるほど。では、今見られるのは、あのコンピュータ上でだけなんですね。」"Yes, madame."「そうですね。」

聞いてみたらすっきりしました。ギャラリーも時期によって入れ替えがあるんですね。考えてみれば当然か・・・。では今回の文学コーナーは女流作家とでもいうテーマだったのかな、ひょっとして?

というわけで、残念ながら一番の目的のルイス・キャロルの手書き本は見られなかったのですが、ミュージアムショップ(というのかな?)で、その本のレプリカを買いました。お値段は£20です。こちらの本、前半は解説になっていて、後半がルイス・キャロルのマニュスクリプトのコピーです。途中で大英図書館の所蔵印が押してあるのも写っていてなかなか面白いです。

不思議な国のアリス」という本は、もともとはルイス・キャロルがアリスに夏のある日に語った物語。それをアリスに本にして欲しいとねだられ、クリスマスプレゼントとして手書きの本を作ったのだそうです。1963年に書きあげ、届けられたのは1864年の11月。そして出版されたのは1965年。タイトルも最初は"Aice's Adventures under ground"(アリスの地下冒険ってな感じですかね?)というもの。このお話、英語の解説書ではしばしば「悪夢」と紹介されているんですけど、子供がこの話を聞いて悪夢っていう印象を受けるかな?少なくとも私は子供の頃、これを悪夢とか怖い話とかは思わなかったけど。アリスもきっと思っていないと思うんですよね~。おもしろい話って思って、本にしてと言ったんでしょうね。本にしてと頼んだアリスは偉い!146年も読み継がれる本に仕上がったのですから!

さて、この最初の手書き本は、挿絵もキャロルが描いています。そのいくつかがポストカードになっていました。写真右がそれ。もっと可愛らしく描かれているものもあるんですが・・・。ちょっと顔が寂しい感じ。それから、白兎のモデルはアリスのお父さんのヘンリー・リデルですが、このポストカードの絵を見ると、当時きっとこういう服装をしていたのだろうなぁと想像でき、本人の描いたものというのは、やっぱり特別におもしろいものだなぁ!と思いました。

こうやって見ると、本格的に出版された時のテニエルの挿絵は、けっこうこのキャロルの挿絵に忠実な感じがしますね。もとの雰囲気を壊さずに、素敵なものになっていて、そういう意味ではやはりテニエルの挿絵は素晴らしいです。また、大英図書館のギャラリーでは、アリスの挿絵原画展もやっていて、テニエル以降の挿絵画家の作品をいろいろと見ることもできました。
 

大英図書館、ギャラリーだけでも、また何度でも行きたいくらい素敵なところでした。


 

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